ビジネスを学ぶには匹敵の映画
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』
から学べるビジネスマンが参考にしたい3つの哲学!を書いていこう。
本作には時代背景は違うけど、現代にも生かせるノウハウが詰まっている。
「莫大な資産を築き上げる人は、どんな方法で仕事をしているのか?」
この疑問に1つの答えを出してくれる作品。
株仲介人から、全米屈指の資産家にまで成り上がったジョーダン・ベルフォートの半生を見ていこう。

資産家の半生を描いた『ウルフ・オブ・ウォールストリート』
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』は、2013年に公開された伝記映画。

原作は、『ウォール街狂乱日記 – 「狼」と呼ばれた私のヤバすぎる人生』。
ウォール街で、狼と称された元株式仲買人、ジョーダン・ベルフォートの自伝である。
主演はレオナルド・ディカプリオ。
監督はマーティン・スコセッシ。
コメディ要素も強い作品だけど、アカデミー賞において、監督賞、主演男優賞など含む6部門にノミネートされるなど高い評価を受けている。
あらすじ
主人公ジョーダン・ベルフォートは、26歳にして年収49億ドルを達成した凄腕ブローカー(株式仲介人)。
22歳で美容師と結婚し、株式仲介人の資格を取った。
その後、大手株式仲介会社でブローカーとして働き始めたその日に、世界的な株価大暴落「ブラックマンデー」が起こり、会社は倒産してしまう。
1日にして失業した彼は、小さな株式仲介会社に転職。
持ち前の営業スキル&トークでペニー株と呼ばれるハイリスクハイリターンながらも、仲介手数料の高い株を顧客に売りつけることで多額の利益を産みだしていく。
そして、26歳にして、ついにストラットン・オークモントという株式仲介会社を立ち上げる事になる。

ブローカーの稼ぎ方とは?
若くして億万長者になったジョーダン。
では何故、ブローカーはそんなに儲かるのか?
ブローカーは、その名の通り、金融や不動産などの世界で、売り手と買い手の間に立ち、取引を成立させる人のこと。
主な収入源は、「仲介手数料」である。
作中で、ジョーダンが扱っていたペニー株は、なんと売買価格の50%が仲介手数料として支払われていた。
そのため、ジョーダンは小さな株式仲介会社から成り上がることができた。
「じゃ今もブローカーはウッハウハなんじゃね?」
と思われるが、そうではない。
現在は、アメリカにおけるブローカー業務に対する規制は強く、仲介手数料の価格は下がり、売値と買値の差分(スプレッド)分を上乗せすることで収益を出している。
なので、今のブローカーは営業スキル&トークだけでなく、きちんとデータを分析観察し、市場の動きを捉えていないと儲けられない、という仕組みになっているのだ。



①莫大な資産を築いたジョーダンの哲学と方法論
映画の中で特に印象に残るのが、
「お金を稼ぐこと、使うこと」に対する彼の哲学と、その方法論。
彼の第1ルール。
株式仲介人の仕事において、顧客の利益は一切考えず、自分の利益のみを考える。
この考えは、大手株式仲介会社時代のジョーダンの上司だったマーク・ハンナの教えに基づいている。
「客に財布から金を出させ 自分の財布に入れる。株屋の第一のルール」
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』
さらに、セールスにおいて、確固とした方法論を編み出している。
それが、「需要を生み出し」「夢を見させること」。
これはエンタメにも当てはまる方法論であるが、この方法論の代名詞といえるシーンがある。
それが、ジョーダンが新たに会社を立ち上げるために優秀なセールスマンをレストランに集め、営業について語るシーン。
このシーン好き!
「このペンを俺に売れ」と迫るジョーダンに対し、


一人のセールスマンがこう答える。
「ナプキンに名前を書いてくれ」
そこでジョーダンは優秀なセールスマンに必要なのは、
需要を生み出し、供給の必要性に気づかせることだ!
と語る。
(金の採掘で採掘者になるのではなく、採掘する道具を売る側になる、のと似ている)
さらに映画の中で彼は、顧客に「株を買うことで欲しいものが手に入る!」という夢をみさせることが重要だと説明している。
そして、社員達に彼の哲学を叩き込み、一連の方法論を実践できる「セールスの台本」を作ることで、社員全員を凄腕のセールスマンに仕立てあげることに成功したのだ。
大手営業各社には、このような営業マニュアルなどあるが、当時この手法を生み出し実践していた事が凄い。
ちなみに、彼が考案したマニュアルは「ストレートライン・システム」と呼ばれており、参考にしている企業も多いとか。
一見、顧客に対して冷徹な感じに見えるけど莫大な資産を築くには、徹底的にビジネスに対してシビアになる必要性がわかる。



②会社の成長やビジネスマンに必要な素養
オンボロの倉庫の中、わずかな社員と共に事業をはじめたジョーダン。
起業当初は、中間層以下の人々にペニー株を売っていた。
ジョーダンによる「セールスの台本」によって会社は急成長し、オフィスの大きさも拡大し社員も増員。
しかし、会社をさらに成長させるには上位1%以下の富裕層の株取引を仲介する必要があると判断する。
そこで、会社名を変更し、新たにロゴも制作。
営業も、まずディズニーなどの手堅い銘柄の株取引で富裕層の信用を集め、最終的にペニー株を買わせる。
というビジネスモデルに切り替えていった。
その結果は大成功!
その後も、会社は規模を拡大するごとに事業内容や顧客層を変えることで事業規模を拡大していく。
この一連の流れを見る中で、シード〜ミドル期まで、起業の成長ステージを追うことができる。
さらに新規事業への挑戦の際に、ジョーダンが見せる決断力やリーダーシップは多くのビジネスマンにとって多くの学びになるはず。
そして一番の学びは、「変化する事」である。
特に日本は変化が苦手。
未だフロッピーディスクを使用している自治体などもあるほど。
「唯一生き残ることができるのは、変化できる者である」
by ダーウィン



③ジョーダンの栄枯盛衰
会社が軌道に乗り、多額の資産を手にしたジョーダン。
プライベートでも、妻と離婚し、美しいモデルと再婚し週末は派手にパーティをするなど、順風満帆な生活を送っていた。
しかし、そんな彼の栄光も長くは続かない。
強引なやり方で巨額を稼ぎ、私生活では薬や性行為に溺れていた彼は、FBIに目を付けられていた。
でも、FBIに追いかけられようが、妻に浮気がばれようが、彼は自分を曲げなかった。
弁護士からはこう言われた。
「会社を手放せば、FBIも諦めるだろう」
だが、このアドバイスも無視し、会社のトップに立ち続け薬物依存からも抜け出せなかった。
その結果、悪事は暴かれ彼は証券詐欺や資金洗浄などの罪状で逮捕されてしまう。
さらに、妻には離婚を持ちかけられ、多額の資産は、被害者の賠償に充てられることに…。
ジョーダンは全てを失った。
しかし、刑期を終えたジョーダンは世界最高のビジネスアドバイザーとして壇上に現れ映画は終わる。
実際に現在も執筆活動やセミナーなどで壇上に上がっているが、こんな彼の濃厚豚骨マシマシライフは、全ての人に生かせる教訓になるだろう。



ビジネスマン必須の営業スキル3つのまとめ
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』を観ると、こんな感想を持つ人もいるだろう。
「他者(顧客)の不利益を考えず自分の利益だけを考え、様々な罪を犯したジョーダンて結局悪人じゃね?」
確かに、犯罪行為は犯したが、
「人を動かすカリスマ性」
「独創的な方法を確立」
それを実践、応用する姿を見ると、彼が巨万の富を得られたのは必然だと思う。
また、映画や報道では罪の側面ばかりが注目されるけど、ジョーダンは様々な慈善活動に献金したり、貧困の人達を社員として雇い救った側面もある。
彼の行動が正しいか否かは置いておいて、ジョーダンのように、周囲の賛否の声を気にすることなく一貫した哲学や方法論を持ちながら、新たな挑戦を行い続けることが大きな成功を築くには重要ではないだろうか。
しかし、現在は当時と時代背景が違う。
データや情報が社会の基盤となり、ジョーダンのようなスキルだけでは難しいだろう。
ビジネスをする上で、きちんとデータを知り、ロジックを立てた上で、ジョーダンの哲学、方法論やリーダーシップを参考にしてみて欲しい。
また映画作品としても面白いので、ぜひ鑑賞を!
ウルフ・オブ・ウォールストリート
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