今回は、
という本から
知ってるようで知らない。
だけど絶対知っておいた方が良い戦略!
というものについて解説していこう。
言うまでもないけど、仕事はもちろん、ダンスやエンターテイメントで生きていくためにも戦略を立てる力というのは非常に重要。
でも、
良い戦略の立て方がわからない人は、残念ながら無駄な苦労を強いられることになる。
人より努力してるのに人より結果が出ない。。。
という悲しい結末に陥る。
では、なぜこんなことが起こるか?
というと戦略とは、
例えば、
山を登る時に地図を確認し、一番登りやすい道ってどれかな?
って探すみたいな行為である。
戦略を立てないことは、
険しい山を登るのに地図も見ないで、
どのルートが一番登りやすいかもわからず、とにかく走り出す!
みたいなこと。
一生懸命に頂上へ向かって走ってるつもりが、実は全く逆方向に走ってた。
みたいな悲しい事態を引き起こす可能性もある。
なので戦略というのは、良い仕事をする上で絶対理解しておいた方がいい必須の知識。
ただ残念ながら、感覚的に95%の人が正しい戦略的発想を理解できてないと思う。
ということで今回は戦略の本質的な内容に迫るべく、
「戦略ってよく聞くけど、実際よくわかんない!」
という人に役立つ内容になると思うので、是非参考にしてもらいたい。

優れた戦略ってどういうこと?
まず前提として優れた戦略ってどういうものなのか?
それは、この本のタイトルの通り
ストーリーがある戦略
著者の楠木さん曰く、
思わず人に話したくなるような面白いストーリーがある戦略。
戦略を構成する要素が噛み合って、全体としてゴールに向かって動いていくイメージが動画のように見えてくる。
こういうストーリーのある戦略こそ素晴らしいと本の中で語られている。
また、こういうストーリーのある優れた戦略はただ競争に勝てるだけじゃなく
長期的に勝ち続けることができる。
会社に、あなたに長い間利益をもたらし続けてくれる。
とも書かれている。
まあ、これは感覚的になんとなくわかるよね。
では、そういう「ストーリーのある戦略」を立てるために具体的にどうすればいいのか?ってこと。
次はその説明していこう。
ストーリーのある戦略の立て方とは?
この本。
は約500ページもある。
そして、この本の中には、そのヒントがめちゃくちゃ詰め込まれている。
今回はその中でも、個人的に超大事なポイントを解説していきたい。
では早速、ストーリーある優れた戦略を立てるために、あなたがしないといけないこと。
その結論を書いてしまおう。
それは一言で言うと、
変であるポイントを盛り込む
これが良い戦略を立てる重要な要因になる。
と、この本には書かれている。
本の中ではちょっと難しい言葉だけど、
「一見して非合理のポイントを盛り込む」
と書かれている。
「一見して」とは?
これを簡単に言えば、
パッと見た時に非合理であること。
合理的じゃない、おかしい、変だ。
というポイントを盛り込むこと。
他人があなたの戦略をパッと見た時に、
「なんだ、これバカだなw」
そういう風に言われるようなポイントを持つことである。
これ最初に本で読んだとき自分は、
「?」
となった。
「変なポイントを盛り込む?それ戦略になるのか?」
と思った。
ただ、これが実に論理的なのである。
次は、これをもう少し詳しく説明していこう。



「一見して非合理のポイントを盛り込む」とは?
この表を見てみよう。
一見して非合理な戦略が、なぜすごいのか?
その理由が隠されている。


一見して非合理、変なポイントを盛り込む。
という戦略は「戦略全体」と「局所的な部分」という二軸で分けた場合、非合理は部分的に見れば変。
しかし、戦略全体を見れば合理的っていうもの。
ちょっと分かりにくいかもしれない。
つまり、その行動をピンポイントで見たらバカみたいな非合理な行動に見える。
ただ話を聞いたら、
「あー!なるほどね!」
と頷ける。
これが優れた戦略に求められるポイントなのである。
なので、本の中ではこの「一見して非合理」っていう言葉を
「バカなる」
という言葉で表現している。
これは、
そんな馬鹿な! → なるほど!
という「馬鹿な」から「なるほど」に導くような戦略ということ。
この「ばかなる」が面白いストーリーを売るポイントなんだけど、
あなたの日々の仕事を振り返ってみて欲しい。
自分も含め多くのビジネスマンがしちゃいがちなのが、
部分的に見ても、全体的に見ても、
どちらから見ても合理的!
っていう戦略なんだよね。
表で言う、普通の賢者っていうポイント。


これが多くの人達が抱える1つの課題。
冒頭に書いた、
95%の人が戦略の本質を理解してない
ってことである。



正しい戦略はバッドエンドになる!?
というのも、この部分的にも全体的にもどちらから見ても合理的っていうのは、いわば誰もが正しいと思える戦略。
「いやいや、正しい戦略っていいじゃない?」
かって思われるかもしれない。
でも、これが罠。
誰もが正しいと思えるような戦略は、言い換えれば誰もが思いついて誰もが行動に移しやすい戦略。
ということ。
仮に、そういう戦略を実行していくと、どんなことが起こるか?
まず会社(組織、チーム)の決裁は通りやすくなる。
部分的に見ても、全体的に見ても正解という戦略なので、内部では「良い戦略じゃないか!」みたいな感じになるだろう。
ただ、いざその商品やサービス、または世の中にリリースしてみたらどうなるか?
察しのいい方なら気づくと思う。
その先にあるのは、厳しい競争だけ。
誰もが思いつくし、社内の決裁も簡単に通せるようなサービスは自社だけじゃなく競合他社からもどんどん出てくる。
そうすると、「コピー競争」「価格競争」に飲み込まれていく。
仮に一生懸命頑張って、そのギリギリの競争に勝ったとしても全然利益も出ない。
長期的には厳しい状況が続くだろう。


これ悲しいよね。
これはダンスでもユーチューバーなどエンタメの世界でも同じ。
踊ってみた、振り付けレクチャーなど、参入障壁が低いカテゴリーは競争が激しい。
そのため、消耗戦になり消えていく。
このように多くの人が目指してしまう合理的な戦略。
これ実は、遅かれ早かれバッドエンドを迎える結末となる。
なので、話は戻すけど、
「一見して非合理的」
変なポイントを戦略に盛り込む必要がある。
ということになる。



戦略競争に巻き込まれず戦うことが大事!
この世の中に真似できない戦略なんてない。
大手企業は資本力が桁違いなので、
これ真似したら儲かる!
と思ったら全力で真似て資本の力で駆逐するだろう。
なので重要なのは、
競合他社が模倣できない優秀な戦略を目指す!
のではなく、
他社からしたら、
もうしたくない。。。
する気にもならないような変な戦略
を目指す!
ってこと。
ただ勘違いしちゃいけないのが、目指すべきはただの非合理な戦略ではない。
会社の成り立ちとか、商品やサービスのコンセプトとか、全体を考えると
「なるほど合理的だね!」
ってなるような、
馬鹿でありながら納得するストーリーある戦略
を目指さないといけないのだ。
ここまでは概念的な話だったので、イメージしづらいと思う。
次は実際に「一見して非合理な戦略」をとって成功した事例を書いていこう。



スターバックスは一見して非合理な戦略で大成功!?
ここでは、あの意識高い系が好む
「スターバックス」
が日本に進出してきた時の戦略を説明していこう。


スターバックスはコーヒーショップ。
として独占的な地位を築いているので、全然非合理なことしてるイメージないと思う。
ただ日本に参入し始めた時には、かなり非合理なことをしていたのだ。
当時スタバは周りからは絶対失敗する!って言われてた時期もあった。
では、どんな非合理なことをしてたか?
スタバは日本国内でフランチャイズではなく直営店方式でお店を増やしていた。
これ飲食業界では相当頭のおかしい戦略らしい。
よくわかんない。
という人のために「フランチャイズ」と「直営店」の違いを説明しよう。
「フランチャイズ」と「直営店」の違いって?
フランチャイズ
外部のオーナーを立てて、お店を任せ売り上げの一部をもらうような形。
直営店方式
オーナーも社員でスタバが全て用意して、自分たちの手で運営していく形。
というやり方。
フランチャイズで有名だと、コンビニなどのセブンイレブンとかファミマとかもそう。
最近では、セブンのオーナーが一悶着起こして話題になったり、ストライキなどもあった。
契約解除のセブン元オーナー松本さんが法廷闘争へ
日刊スポーツ
セブン-イレブンの一部店舗で元旦に“ストライキ”実施か 24時間営業強制は違法とも
@niftyニュース
フランチャイズはメリットが多い戦略
フランチャイズの最大のメリットは、
スピード展開
最小リスク
だろう。
もともとお店や家を持ってる人を捕まえてスタバをやらせる。
これがチェーン展開の肝で、出店のスピードが圧倒的に早い。
土地や不動産が空くのを待つのではなく、持ってる人にやらせちゃう。
そして、さらにその土地、商品の仕入れもオーナーに任せ、売り上げが上がったら売り上げの一部がもらう。
もし、うまくいかなかったり、潰れちゃいそうな場合は
「残念でした!」
って切り捨てられるスタイル。
なので、会社からするとフランチャイズという手法はメリットが多いので、チェーン店の展開では鉄板の戦略なのだ。
なぜスタバはフランチャイズにしなかったのか?
そんな中でスタバは直営店方式で突き進んだ。
それこそ当時はメディアとか投資家とかにボロクソ言われている。
出店スピードも落ちるし、土地とか店舗も全部自分たちで用意する。
それは、あまりにリスクを抱えすぎている。
アホだ!と言われたわけだ。
なぜスタバが直営店方式という非合理な戦略で突き進んだのか?
そこに「一見して非合理」
この戦略が見えてくる。
直営店方式っていうのは部分的に見れば非合理に見える。
しかし、スタバ全体の戦略から見れば逆に合理的だったのである。
あなたはスターバックスはコーヒー屋さんと思っているだろうか?
だが、スターバックスはそもそもコーヒーを売るお店じゃない。
「なんだって!?」
その気持ちはわかる。
では、スタバがコンセプトと仕掛けているのは何か?
それは、
サードプレイス
家でも職場でもない、お客さんが安らげる空間である。
スタバはコーヒーを売って稼いでるのではない、安らげる場所を売って稼いでるのだ。
そして、その場所にドリンクやフードを提供している。
ということ。
そのスタバの全体像を表現するコンセプト
「サードプレイス」
を踏まえると、一気に直営店方式が逆に合理的な戦略に見えてくる。



もしスターバックスがフランチャイズ展開していたら?
もし仮に、スタバがフランチャイズ方式で展開していたら?
どっかのおじさんオーナーに任せて、ガンガン出店していた場合どうなってしまうのか?
そのオーナーのおじさんはこう考える。
「サードプレイス?
そんなコンセプトより売上をあげるぞ!」
まぁ、当然だよね。
おじさんはスタバのコンセプトを守るより、自分が儲かる方が重要。
売り上げの一部は取られてしまうし、おじさんオーナーからしたら自分の生活や人生がかかっているのだから。
そうなるとオーナーのおじさんはこんなことをしだす。
●狭いお店でも”ぎゅうぎゅう”に椅子を配置しだす。
●回転率を高めるために、長居するお客さんを追い出したりする。
●賞味期限切れの商品をサービス提供する。
●人件費や経費をケチり衛生面やサービスが悪くなる。
これらは、商売としたら確かに効率的で合理的な意識。
だけど、スタバのコンセプトを考えると絶対やっちゃいけないこと。
だからスタバは直営店方式で、自分たちの社員にオーナーをやらせて土地も自分たちのコンセプトに合う立地を厳選する。
そういう戦略をとったのである。
結果はどうだろうか。
確かにコンビニコーヒーよりドトールより値段は高い。
なのに、お客さんはコスパの良いコーヒーじゃなく、あの安らげる場所を求めてくるのである。
低価格で攻めてくる競合が、どんどん生まれたとしても勝ち続けることができる。
同じ戦場で殴り合いをせず、ゆったり高みの見物状態。
まさに意識高い系企業なのだ。
どうだろうか。
このスタバの戦略、人に話したくなったかな?
これが著者の楠田さんが言う、
部分的に変なポイントを盛り込んだ、人に話したくなるストーリーのある戦略
なのである。



【競争戦略】勝ち続けたいなら変人になれ!のまとめ
今回は、優れた戦略とはどういうものなのか?
という話題を書いてみた。
今回、自分が伝えたかったことは
仕事でも、人生でも何か戦略を立てる時に、
人からバカだ!変だ!
とか言われるようなポイントを盛り込むってのは非常に素晴らしい!
ということ。
一見して変な戦略
変な会社
変な人
などを意識的に観察してみると、最初は色々文句は言われたりする。
けど、気が付くと最後には勝っていたりする。
しかも、ただ勝つんじゃなくて勝ち続けていく。
なので、
全体像は合理的!と信じられるのであれば、
積極的に変なポイントを盛り込むことを試してみて欲しいと思う。
そんな、あなたにはこの本を是非手に取ってもらい、読んで欲しい。