マジです。
今回は、
ダンスインストラクターはブラックビジネスなのか?
について考えてみよう。
と、その前に今回の内容はストリート系ダンスインストラクターの話なので、バレエ、社交ダンスなどのインストラクターはまた別の話という事を伝えておこう。
では、まずは日雇い労働とは?についておさらいしよう。
日雇いとは、雇用形態のひとつ。
1日限りの雇用契約または1か月未満の有期労働契約で雇うこと。
または、その雇われる人。法律上は、これより広い意味で用いられることもある。
「ニコヨン」などの俗称がある。日傭、日傭取りとも言われる。
では次にダンスインストラクターとは、
各ダンスジャンルにおいて、華麗にカッコよく踊るための技術を指導する。
ダンスインストラクターは、現役のダンサーとしてステージに立つかたわら、ダンススクールでダンサーを目指す人を指導したり、フィットネスクラブで趣味としてダンスを楽しみたい人に指導する。
インストラクターである前に、一流のダンサーであれば、生徒からの信頼も厚い。
さらに、専門とするダンスの歴史や人体のしくみなどの知識が豊富で、指導方法を身につけておけば、なおさら。
今ならキッズなど子供に対する指導も必要。
これらを理解した上で、何故ダンスインストラクターは日雇い労働者以下なのか?の理由を4つ挙げていこう。
ダンスインストラクターが日雇い労働者以下の理由4つ
理由①
ほとんどのスクールが完全歩合制
この完全歩合制というのは、生徒1人に対して〇〇円という形。
歩合制の他に時給制も多い。
これについては後ほど説明していこう。
例えば、
完全歩合制のスクールで生徒1人700円。
その日、生徒が5人来た場合。
700円 ✖︎ 5人
1レッスン報酬は3500円となる。
これが高いか安いかは各自の価値観。
そして、ほとんどのスクールで交通費は出ない。
交通費が出るスクールもあるが、かなり限られている。
そして、ここがポイント!
交通費はほぼ出ない!
固定給は上級ダンサー!
固定給なし!
交通費さえも出ない!
これがブラックと言わず何だろうか。
じゃ安定した固定給で交通費がもらえる環境はどこだよ!
となる。
その環境は以下となる。
●スポーツジム
●大手スクール
●芸能関係
●専門学校
●自治体運営
この環境なら時間に対しての報酬も高め。
1レッスン(約1時間)で日雇いの日当、もしくはそれ以上の収入になる可能性もある。
しかし、枠が狭くハードルが高いのは言うまでもない。
理由②
インストラクターの敷居が低い
ある程度のダンス経験があれば誰でもなれる。
極端な話、ダンス歴1年でも可能な場所もある。
インストラクターはダンスの指導はするが、結局はサービス業。
どんな上手くても生徒が来なければ仕事にならない。
スクール側もビジネスなので、大事な時間枠を無駄に使うのは避けたい。
インストラクターに求められるのは、
いかに生徒が集まるか?
これに集約される。
なので経験が浅く、経歴がなくとも人が呼べるインストラクターなら大歓迎なのである。
ダンス歴が長いベテランが若いイントラに生徒を奪われ、切なく悲しい思いをする年配ダンサーを数多くみてきた。
理由③
ダンサーが飽和状態
とにかくダンサーが多すぎ!
今や小学校の授業からダンスに触れ、部活動、サークルまで。
そこら辺の大人よりダンスに触れる機会が多く経験が豊富な子供達だらけ。
そして、そんな子供はそこら辺の大人より上手い! 今後この環境によってダンサー人口もますます増えていくだろう。
例えるなら、ダンスインストラクターという仕事は決まった枠を取り合う”椅子取りゲーム“。

1度その席(レッスン枠)に座ったインストラクターはそこを離れず、 席はどんどん埋まっていき、空いてる席はボロボロの安く雇用される枠となる。
それでも、「何とかダンスで収入を持ちたい!」
という若い世代が流入してくる。
教えられる場所と時間は限られている。
ダンス人口は確実に増えていくけど、教える場所はどんどん限られていく。
インストラクターはこの”椅子取りゲーム”に日々疲弊しながら日銭を稼がないといけないのだ。
それでは次がラスト。
理由④
スキルに対しての対価が低い
ここが自分としては、一番切ないポイントだと感じている。
最初に説明した歩合制にも増して”時給制”も多い。
もちろん安定としたら歩合制よりマシだけど、ダンスレッスンは1枠60〜90分と短い。
これが高単価ならいいけど、これまで説明してきた通り報酬は決して高くない。
例えば、
あなたはダンス歴10年だとする。
人前で踊る経験も豊富、振り付けなどの仕事も少なからずしている。
でもインストラクター経験はない。
そこで、あなたはインストラクターを目指し枠を探していた。
けど、完全歩合制は避けたい。
そこでやっと探した固定給のスクール!
ただし時給制。
ダンスインストラクター募集!
高時給1500円!
インストラクター経験不問!
子供好き大歓迎!
もしこのような募集があったら、あなたはどう思うだろうか。
このような場合、99%交通費はないと思った方がいい。
「1500円時給いいじゃん!
インストラクター経験なくてもいいんだ!」
こんな事を思ったあなたは危険。
確かに一般的に時給1500円は高額である。
でも、ダンスレッスンとは大抵が60〜90分で終わる。
まぁ交通費はさておき、問題は時給です。
何年もかけて培ったスキルが1時間2000円程度。
仮に日雇い労働であれば、現場未経験でも労働時間が確保され、ある程度の日当がもらえる。
交通費も出るし、何か問題があった場合は派遣側が対応してくれるだろう。
それに対してダンスインストラクターは何の保証もない。
レッスン中に怪我や問題を起こしても自己責任。
ダンスは何年も取り組んできたある意味”専門スキル”。
その何年も培ったスキル、経験が日雇い労働以下になり得る事実。
いや最悪、交通費でマイナスの可能性すらある。
では、なぜスクールはこの金額で募集をかけるのか?
理由は簡単、
安く募集しても人が集まるから。
スクール側はとりあえず枠を埋めたいのだ。
1人でもいいから会員費を取りたいのだ。
「少しでもいいから、ダンスでお金を稼ぎたい!」
このような”ダンスプア”が大勢存在し、ダンスインストラクターの対価が低くなっているのである。
インストラクターは日雇い以下ってマジ?のまとめ
●ダンサー人口が増える環境で、限られたスクールでレッスン枠を取り合う。
●固定給の可能性は低く、完全歩合制の可能性が高い。
●生徒が来ないインストラクターは最悪マイナス収支の可能性。
以上により、ダンスインストラクターは日雇い労働以下のブラックになり得る。
ということ。
インストラクターを目指す人は、この現実をしっかり受け止めて活動しよう。
そして、ダンサーはあくまで個人事業主。
ビジネスマインド、マネーリテラシーをこのブログでしっかり勉強して欲しい。
ここまでは残酷なインストラクターのリアルを書いてきたが、では安定した固定給がもらえないダンサーはどうしたらいいのか?
この答えは以下の記事に書いたので参考にしよう。













最後にプロとアマの差は何か?
を解説して終わろう。
プロとアマの差とは?
プロとアマの差てなんだろう?
これがダンスにおいて最も課題となる。
上手さ?知名度?経歴?
確かにこれらは大事な要素。
でも1番大事なことがある、それは…
お金を稼げるか。
この”稼ぐ”というのは金額でも変わってくるけど、月数千円単位ではプロとは言えない。
最低限、ダンスの収入で食べれるレベルならプロと言えるだろう。
これは先程挙げた「上手さ」「知名度」「経歴」にも繋がってくる。
上手ければ仕事がくる。
⬇︎
仕事すれば認知度が上がる。
⬇︎
認知度が上がれば経歴が増える。
自然とこのようなサイクルになる。
なので、稼げるダンサーは「上手さ」「知名度」「経歴」のいずれかを備えている事になる。
もし、こんなダンサーがいたとしよう。
めっちゃ上手い!
認知度もある!
経歴もある!
けど、稼げない!
こんなダンサーは「凄いポテンシャルを持つ趣味がダンスの人」。
逆に、
全然上手くない!
人から嫌われてる!
経歴も全くない!
けど、めちゃくちゃ稼いでいる!
これは紛れまなくプロ。
むしろ、こんなダンサーがいたら「奇跡のプロ」。
金を稼ぐ=社会的需要がある
プロ=稼ぐダンサー
アマチュア=稼げないダンサー
という事になる。
あなたはどっちのダンサーかな?


