今回は、
脳科学者の茂木健一郎さんの著書。


という本を参考に「ゾーンの入り方」を解説していこう。
ダンスなどステージに上がる時、仕事などでも「ここぞ!」という場面がある。
その時にパフォーマンスをグッと上げる「ゾーン状態」。
あなたもこのゾーンに入ってみよう。
最初に結論を書くとこうなる。
脳の仕組み上、短時間の集中を繰り返した方が効率が良い。
主な理由は2つ。
●そもそも脳は1つのことに長時間集中できない。
●集中する回数を増やすことで、深い集中状態であるフロー(ゾーン)状態に入りやすくなれる。
というわけで今回は、
①瞬間集中とフロー状態について
②デフォルトモードネットワークとは
③集中力を上げる小技3選
という順で解説していくのでお楽しみに。
記事の目次(タップできます)
①瞬間集中とフロー状態について
脳は短時間の集中「瞬間集中」を繰り返した方が効率がいい。
と茂木先生は言う。
その理由は2つ
理由1
脳が1つのことに集中できる時間には限りがある
理由2
フロー状態に入りやすくなれる
では、それぞれ掘り下げていこう。
1.脳が1つに集中できる時間には限りがある
個人差はあるけど、人の脳は1つのことに長時間集中できない。
また脳は新しいことや予測がつかないことを好むという性質もある。
脳には”知りたい”という本能が備わっており、刺激を好むということ。
瞬間集中はこの脳の性質を利用する。
つまり、次々に取り組むことを変えて脳に刺激や新鮮さを与えることで、脳を飽きさせずに集中力を発揮できるということ。
2.フロー状態に入りやすくなれる
フロー状態とは、
1つのことに没頭して深い集中力を発揮する状態のこと。
このフロー状態はよくゾーンに入るとも言われる。
この状態の時に人は最高のパフォーマンスを発揮する。
フロー状態の特徴として
「深い没頭
「集中力」
「時間を忘れる」
報酬や評価どうこうではなく、その作業そのものが楽しい。
そして最高のパフォーマンスを発揮できる。
という特徴がある。
つまり、どう考えてもこのフロー状態を味方につけることが作業効率を上げたり、大きな成果を出すための鍵を握っている。
そして、このフロー状態に入りやすくなる方法が「瞬間集中」なのだ。
フロー状態に入りやすくなる方法
簡単に仕組みを書くとこう。
人が集中すると脳機能の背外側前頭前皮質という部分が働く。
この神経回路は繰り返し使うことで強化される。
つまり、集中するたびに強化される!ということ。
というわけで、長い集中を2〜3回行うよりも、
短い集中を何回も繰り返す
集中する回数を増す
これが背外側前頭前皮質が鍛えられ、よりフロー状態に入りやすくなれる!
のである。
ということで瞬間集中が優れている2つの理由とは、
脳は長時間集中できない。
フロー状態に入りやすくなれる。
ということなんだね。

②デフォルトモードネットワークとは
脳が集中力を発揮するための重要な機能。
デフォルトモードネットワーク(DMN)を紹介しよう。
デフォルトモードネットワークとは”脳のオフの状態“のこと。
具体的には、ただ”ぼーっ”としている時や昼寝をしている時に脳はデフォルトモードネットワークの状態になっている。
実は、脳はこの状態の時に情報を整理してくれている。
つまり自分は、ただぼーっとしているだけでも脳はせっせと働いてくれているということ。
そして、このデフォルトモードネットワークによる情報の整理が極めて重要。
適度に”ぼーっ”とする時間を作ることで、デフォルトモードネットワークの時間を作る。
こうすることで脳がパンクしてミスが増えることを防ぐのである。
また脳内で情報が整理されるので、その後の理解力や集中力が上がる。
つまりインプットとアウトプットの質が上がる!
ということ。
適度に休憩をはさみデフォルトモードネットワークを機能させた方が効率が上がるんだね。
そして、
「適度に休憩をはさむ」
「瞬間集中」
を組み合わせるのがとても効率の良いやり方になる。
よく推奨されるやり方は、
“25分集中”して”5分休憩”するという方法
これは25分というのが人が無理なく集中し続けられる時間だから。
また、この休憩については注意すべきことがある。
それは、
休憩時に脳に刺激を与えないこと。
つまり休憩中に携帯などをいじるとデフォルトモードネットワークが機能しないので良くない。
とにかく休憩中は”ぼーっ”とすることが大切。
緑が見える場所を散歩することや、2〜3分でもいいので目をつぶって休憩する。
これがオススメ。



③集中力を上げる小技3選
ここでは
1.ノイズで脳を鍛える
2.集中と拡散のメリハリは大きく
3.上司脳をつける
という3つを紹介しよう。
まず1つ目。
1.ノイズで脳を鍛えるという方法
まず結論。
適度なノイズがある環境で集中して作業することで、より背外側前頭前皮質を鍛えることができる。
そもそも人は静かな環境の方が集中しやすいけど、ガヤガヤして雑音がある環境でも集中が可能。
そして、このノイズがある環境で集中することで脳に負荷をかけることができ、集中力を鍛えることができる!
というわけ。
今回この小技をピックアップしたのは理由がある。
それは、この知識がリフレーミングの役に立つと思ったから。
リフレーミングとは、物事を別の枠組みで捉え直すこと。
つまり今回の知識によって、
例えば、職場やカフェなどでガヤガヤしてきた状況の時にリフレーミングできると思う。
この状況で、
「あーもう!うるさいイライラするわ!」
ではなく、
「ノイズが増えてきたな。
このノイズのおかげで自分の背外側前頭前皮質がまたレベルアップするぜ!」
みたいなポジティブに捉えて、やる気を維持できる。
このように考え方、意識1つで作業効率が上がるなら活用すべきだよね。
このリフレーミングは、とても大事な考え方。
記事を読み返して復習してみよう。
続いて2つ目の小技。
2.集中と拡散のメリハリを大きくすること
ここまで書いてきたように、「瞬間集中」や「デフォルトモードネットワーク」を生かすためにはオンとオフのメリハリが重要となる。
オンとオフ
⬇︎
集中と拡散
と言い換えることもできる。
このオフ=拡散を
思いっきり休む!
思いっきり拡散!
することで圧倒的な集中力を発揮できる。
イメージとしてはゴム。


ゴムを思いっきり伸ばせば伸ばすほど、離した時に”パチン!”と一気に収縮する。
集中力はこのイメージに近い。
つまりオフの時間は思いっきり
羽を伸ばす!
リラックする!
拡散する!
そうすることで、オンのモードに入った時に鋭い集中力を発揮することができる。
「週末あんだけ遊んだし、月曜日からまた頑張るぞ!」
みたいな感じだね。
そして、ラスト3つ目の小技。
上司脳を作るという方法
結論。
人は自分で決めて自分で達成したい!という性質がある。
なので「自分で決め、自分で取り組む」とモチベーションを保つことができる。
つまり、
人から言われる→やらされる
ではなく、
自分で決める→自分で取り組む!
ということ。
とはいえ、仕事をする上で上司から仕事を任されることは多いと思う。
そこで今から紹介するテクニックが、
「自分の脳の中に上司のを作る」という方法。
例えば、上司から
「この書類作っておいて!」
などお願いされた時に、
上司からのお願い
⬇︎
自分の頭の中の上司脳からのお願い
に変換する。
これはつまり、
他人からの課題を自分の課題へと変換するということ。
よく自分の中に「天使」と「悪魔」がいて2人が訴えかける。
みたいなのがあるよね。
あのイメージに近い。


つまり、自分の頭の中に「上司」と「部下」を作り、その2人のやりとりに変換する。
この一手間によって、他人からの課題を自分の課題に変えることができる。
すると自分で決断した状態になり、自然とやる気が出る。
人は「自分で決めたことを自分で達成する!」
こんな時にモチベーションキープし頑張れる。
という性質を利用する方法なのである。
というわけで、最後にまとめに入ろう。



ゾーンに入る方法のまとめ
①瞬間集中を繰り返す方が効率が良い
主な理由は2つ。
●脳は1つのことに長時間集中できない。
●集中する回数を増やすことでフロー状態に入りやすくなれる。
②適度に休憩をはさむことで効率が上がる
デフォルトモードネットワークを機能させることで効率が上がる。
ぼーっとする時間にこそ、脳は情報を整理してくれる。
③集中力を上げる小技3選
ノイズで脳を鍛える。
集中と拡散のメリハリは大きく。
頭の中に上司脳を作る。
という3つを紹介してみた。
今回の内容をシンプルに伝えると、
オンとオフの切り替えは、こまめにかつ大胆に行うのが効率が良い!
とはいえ何事も自分に合う合わないはあると思う。
どのくらいの頻度で、どんな休憩の取り方が自分にベストなのか?
これを知る人が大きな成果を出せる人だと思う。
あのテスラのイーロン・マスクは、遊ぶ時(オフ)には城を貸し切ってドンちゃん騒ぎする!という話もあった。



オフの質がオンの質に大きく影響を与える。
これを意識してオフの質、休む技術について見直してみてみよう。
まだまだ紹介できてない内容が沢山あるので、ぜひ本書を手にとってみて欲しい。