今回は、
アイドルソロクイーンコンテストの勝ち方
について書いていこう。
このコンテストは、
実力ナンバー1の女性アイドルを決める!
というコンセプトの大会である。
自分は、このコンテストのダンス審査員を長年務めさせて頂いている。
ざっくり説明すると審査項目は以下の4つ。
①歌唱力部門
音程、リズム、表現力、声量を10点満点で審査して4部門の合計点で順位を決める。
②ダンス部門
技術、リズム感、表現力、運動量を10点満点で審査して4部門の合計点で順位を決める。
③ビジュアル部門
審査員4人がビジュアルがいいと思う3人を選び、1人に付き1ポイント。決勝は4人を選ぶ。
④パフォーマンス部門
観客がパフォーマンスがよかった3人に投票。
これらをガチで競う大会だ。
詳細は公式に書いてあるのでチェックして欲しい。
回数を重ねる毎に彼女たちの努力や悔しさ、嬉しさなどに心打たれる。
年齢のせいか、審査中にマジでウルってしまう時もある。
普段のユニットライブでは披露しない”個のパフォーマンス“を発表する事はユニット自体のブランド向上や自信にも繋がるだろう。
たまに有名ユニットからも参加するが、名も知られていない実力者に負かされるのを何回も見てきた。
それほどソロパフォーマンスは残酷なまでに優劣が明確になる。
ちなみに審査員時は本名なので、会場に来て勘のいい人ならすぐ分かるはず。
なので、あえて名前は伏せておく。
この記事を書く理由
オフィシャルサイトより
この記事は、大会レベルを引き上げ”優勝する価値を上げる“為に書いている。
この大会レベルを知らない人は、
「なんだよ、アイドルか」
と思うかもしれないが、決勝上位者のパフォーマンスはとてもレベルが高い。
回を重ねるごとに審査基準も高くなり、第一回と最近の優勝者では全く質が違う。
より動きのあるパフォーマンスを求められるようになり、全体レベルも上った。
しかし、アイドルの活動代謝も早いので歌って踊れるアイドルは卒業してしまい、「これではつまらない!」
ので、今回は作戦を練れる余白を残しつつ攻略解説していこうと思う。
これにより、さらに白熱したパフォーマンスを見せて欲しい。
実力を出しきってほしい!
審査をしていると、非常にもったいない子が多くいる。
もっと力を発揮出来るはずなのに…。
もっと踊れる、歌えるはずなのに…。
自分の力を理解してないのかもしれない。
事務所が把握していないのかもしれない。
参加者は若い。
セルフ活動なら仕方がないが、この秘めたパワーを事務所やスタッフがしっかり引き出してあげるべきなのだ。
その意味でも、今回の内容は少しは役立つと思う。
しかし、パフォーマンスを反映するのは演者自身。
それを表現するスキルも努力も必要なので生かす殺すは結局、本人次第となる。
思い出決勝でもいい
ここで将棋の話を1つ。
将棋では、ほぼ勝ちの可能性がない状態でも王手(相手の王を取る行為、攻め)をする事があり通称、「思い出王手」といわれる。
要は記念、あわよくば王手である。
この攻めで、もしかしたら相手がミスをしたり勝てるチャンスがあるかも!?
という感じ。
これをコンテストでいうと、
思い出決勝。
という感じだろうか。
これはこれで良いと思う。
記念ライブと割り切り、”優勝を狙わず“楽しむのも全然ありだと思う。
自分のやりたい歌、パフォーマンスで存分に楽しんで終わるのもいい。
そもそも決勝に残った時点で優秀なアイドルなのだから。
今後も自信を持って活動してほしい。
前回優勝者は次回も参加(強制)
この大会のルールで、「前回優勝者は強制的に次回も参加してもらう」というシステムがある。
これで競争意識を与え、さらに2連覇のチャンスを狙ってほしい!(強制)
という意図がある。
勝ち逃げは許さん!
このコンテストの厳しさはここにもある。
優勝しても気を許せない。
そして、第8回(2021現在)で過去に一度も2連覇達成者はいない。
前回の覇者「森 かのん」は惜しくも2位!
それほど甘くないコンテストなのだ。
そして、今回の優勝は「山本かれん」(TRY ME)
なので、彼女は次回も挑戦することになる。
動画はTRY ME公式から。
アイドルソロクイーン過去優勝者
2021年時点。
1回 2014年
井水優菜
<逆に、ゆうちゃんバンド(元 百花繚蘭)
2回 2015年
岡崎みさと
<メグリアイ>
3回 2016年
菅沼茉祐
<ピンク・ベイビーズ>
4回 2017年
KANA
<Chu-Z>
5回 2018年
西田早希
6回 2019年
瀬奈ジュリ
<143∽>
7回 2020年
森かのん
<フルーティー>
8回 2021年
山本かれん
<TRY ME>
世にはダンスやシンガー含めコンテストは数多くある。
今回の内容はソロクイーンだけでは無く”コンテスト全般に生かせる“内容なので参考になれば幸いである。
また、ダンススキルに対してはこちらの記事に書いてあるぞ。
ダンススキル向上記事⬇︎







プロダンサー用記事まとめ⬇︎



では、早速具体的な解説をしていこう。
※)現ルール上の解説なので、今後ルール変更の可能性もあり。
アイドルソロクイーンコンテスト攻略アドバイス
必ず過去優勝者の動画を確認する
確認したい人はこちらで。
アイドルソロクイーンコンテスト Youtubeチャンネル
過去のトップレベルを知る事で、自分に何が足りないのか。
目指すべきパフォーマンスがわかる。
選曲を間違えない
これが1番ミスしやすい。
特に実力者に多いので、実にもったいない。
予選は1コーラスで勝ち抜けばいいので、自信があれば多少力を抜いても構わないが決勝はフルコーラスなのでそうはいかない。
フルコーラスは粗も出るし真の実力が見えてしまう。
フルをやり切れない人は、そもそもアーティストとして成立しない。
選曲のポイントは安易に”バラードや落ち着いた曲をやらない“こと。
ダンスを捨てて、ガッツリ歌勝負のバラード系もいるが上位を狙うなら必ずダンスは必須。
欲を言えばアップテンポでノリが良い曲がいい。
つい首で乗ってしまう曲の方が見栄えや印象はいい。
そして、振付がしっかり埋まっている事が大事。
だけど、挑戦し過ぎると逆効果なので個人的なオススメは”身の丈ちょい上“ぐらいの選曲。
是非、自分のベストな魅力、パフォーマンスを引き出してほしい。
予選、決勝の作戦内容を変える
予選は1コーラス。
決勝はフルコーラス。
予選はあくまで通過点。
パフォーマンスレベルが高ければ必然的に決勝まで残るのは間違いない。
実力者は予選で抜き、決勝に全て取っておく作戦も多く見られる。
自信がなければ予選から勝負曲を持っていこう。



音源の質を確認する
たまにオケ音質の悪い参加者がいる。
どこから持ってきたのか?と思うぐらいノイズが入っていたりする。
これでは本人も音を拾いにくいし、ライブとしてのイメージも良くない。
クリアで音量もしっかりしたオケを用意しよう。
奇を狙い過ぎない
実力がある子に限って奇を狙おうとする人も多い。
それがユニットや自分のこだわりなら良いけど、シンプルに”優勝を狙う“ならレベルの高い正統なパフォーマンスを披露する事がベストな支持を受けられる。
でもこれを意識しすぎるとキャラの面白味がなくなるので、個人的には自分の売りを前面に押してほしい気持ちはある。
マイクの距離を保つ
激しいパフォーマンスのせいでマイクが離れて声を拾わない事も多い。
これは素人感満載なので、パフォーマンスを抑えるか、マイクをコントロールしてしっかり歌おう。



ダンスが上手いだけではダメ
ダンスだけ見てほしいなら構わないが、ダンスコンテストではない。
歌って踊れる事を競う大会である。
両方が伴っていないと上位には食い込めない。
逆にダンスを捨てて歌だけの勝負も同じ事が言える。
なるべく振付を詰め込む
ダンス項目だと運動量にあたる。
乱暴な言い方だけど、ダンスが少ないのはダメ。
でも雑に詰め込んでもダメ。
しっかりスキルを出し切れるレベルで埋める事。
たまに普段のライブ感覚で煽りを多用する人がいるけど、これもNG。
煽るぐらいなら簡単な振付を入れた方がマシ。
多少の転換など雰囲気を変える場合はいいが、煽りはファンを盛り上げるだけで審査員の印象は上がらない。
むしろ、もったいないと思ってしまうので注意。
同じ動きを繰り返し過ぎない
サビやオリジナルの振付は仕方がないが、”自分でアレンジ”したり”ゼロから考える”時はボリュームが増えるけど、なるべく同じ動きを減らすと印象が上がる。
しかし、これも一長一短で効果的な動きとそうでない動きがあるのでバランスが必要。
それを見極めるのもセンス。



常に16ビートを意識する
ダンス項目だとリズム感にあたる。
意図的なポージングや8ビート以外は基本的に16ビートを意識する。
これは歌も同様で意識するだけでノリ、バイブスが変わる。
特に音にノル時や、動きと動きの繋ぎは16ビートを意識しないと単調になり躍動感が一気に減る。
かと言って「ずっと揺れろ!」という訳ではなく、緩急のメリハリ、キレが重要。
振付を覚えるのではなく”入れる”
ダンス項目でいう表現力にあたる。
セリフで”棒読み”などあるが、ダンスでも”棒ダンス”的な事がある。
「ただ覚えて動いているのか」「自分のバイブスとして踊っているのか」はすぐ分かる。
これはやりこむしかないが、自分がどう見えているのか客観的判断することが大事。
自分では踊れていると感じても、実は棒ダンスの可能性もある。
客観視に自信がない人は、ダンスの先生などにしっかり見てもらいアドバイスをもらおう。
ファンの心はナニで動くのか?
直近大会では、連覇のかかった「森かのん」が惜しくも2位という結果になった。
しかし、森かのんはなんと、ダンス、歌では審査員集計では共に1位を取っている。
実質実力1位じゃね?
と思うのも無理はない。
では何が敗因だったのか?
それが、ファン投票である。
ファンは推しに加え2名の計3名記入しなければならない。(現ルール)
これにより、推しだけが有利に働くことを防いでいる。
ということは、推し以外に食い込むことが必須。
そして、その心はファン次第。
これだけは審査員でも分からない。
ファンの中でも見る箇所が違うはずだ。
●純粋なパフォーマンス優先!
●情や熱さを優先!
●可愛いだけ優先!
●推し以外は適当!
このような水物要因には、キャラアピか圧倒的なパフォーマンススキルで勝負するしかない。
もちろん優勝目指すなら、後者の圧倒的なパフォーマンススキルで投票を掴みにいく事が重要。
ただ、決勝はそれだけでは優勝できない事も事実。
レベルの高いパフォーマンスでもファン投票で落とす場合もある。
特に地方参加者は足を運べるファンの数が少なく悔しい思いをする事も多かったが、今回から配信投票(有料)も可能になったのでファンの心を掴む事は大事な要素。



残酷なビジュアル審査は気にしない
見た目は親からのギフト。
確かにアイドルの見た目は重要。
しかし、こればかりは気にしてもしょうがない。
ポイントが付かない人は、割り切ってその分パフォーマンスで見返してやろう。
負けても諦めるな
諦めなければチャンスは来る。
参加者も毎回入れ替わるので、パフォーマンスを改善し挑戦し続ける事で優勝が狙える機会は必ず訪れる。
実際、昨年の森かのんは挑戦し続けて優勝した実績がある。
予選が通らない人は、まずは予選通過を目指す。
予選が通る人は、上位に食い込めるようにブラッシュアップする。
上位の常連は、今回の内容を参考に戦略を練って欲しい。






アイドルソロクイーンコンテストの勝ち方のまとめ
●必ず過去優勝者の動画を確認する
●選曲を間違えない
●音源の質を確認する
●奇を狙い過ぎない
●マイクの距離を保つ
●ダンスが上手いだけではダメ
●なるべく振付を詰め込む
●同じ動きを繰り返し過ぎない
●常に16ビートを意識する
●振付を覚えるのではなく”入れる”
●ファンの心はナニで動くのか?
●残酷なビジュアル審査は気にしない
●負けても諦めるな
アイドルもパフォーマンスを求められる。
いや、アイドルだからこそ求められる。
地元では天狗でも、上には上がいる事を思い知らされるコンテストがアイドルソロクイーンである。
運営側もガチで公平な審査をするべく日々ルール改正や努力をしているので、是非とも安心して挑戦して欲しい。
参加には勇気はもちろん、凹む覚悟も必要だ。
人は失敗し反省し学んだ時に最も成長できる。
自分の殻を破りたい人は是非挑戦して欲しい。
ps.
個人的に毎回思うのは、優勝者(数人でも)集めて一曲でもオリジナルを作りパフォーマンス見せて欲しいと思うが実現は遠いと思っている。
相当完成度高いユニットになるはずなんだけどね。
でもこれが、なかなか難しいんだよね。