価格競争といえば薄利多売が思い浮かぶ。
この薄利多売は、越後屋を発展させ三井財閥にまで成長させた三井高利の商売成功の方法として有名。

確かに薄利多売は、他社と同じような商品を販売しているなら、他社よりコストを下げ価格も下げる事で、同じものを安く売ることで勝機を見出す事が出来る。
しかし、視点を変えると、他社と”同じ物“しか売っていないことで価格競争に巻き込まれ、薄利多売をせざるを得なくなってしまうという事でもある。
薄利多売に巻き込まれない戦略
価格競争と並ぶ、もう1つの競争戦略がある。
それは、
製品差別
差別化とも言われるこの戦略は、他社では販売できないような商品やサービスを提供することで、価格競争に巻き込まれずビジネスを進める戦略方法である。
自分が仕事をする際に、いつも意識しているのがこの差別化。
他の人にできることを、自分がやっても、レッドオーシャンの競争に巻き込まれるだけ。

極端な話、他の人でも提供できるのであれば、それは存在しなくても良く、そもそも企業の存在価値自体に疑問が生じてしまう。
もし、自社の商品やサービスが他には無い”オンリーワンの存在“となれば必然と競争相手はいなくなる。
また価格競争をする必要が無くなるので十分な利幅を確保することが可能になる。
ただし、その為に必要な事がある。
それは、
提供している商品やサービスが
「価値 > 価格」
価格より価値がある。
と認められること。
差別化された商品サービスにおいては、他社との価格比較ではなく、その商品、サービス自体の価値が重要になってくる。
その価値が高ければ高いほど、価格を引き上げても販売につなげることが可能になる。
だって、オンリーワンだからね。



薄利多売を抜け出すには差別化が重要
もし薄利多売でヒィヒィ言っている企業はコスト削減だけでは無く、差別化の道を探ってみてはどうだろうか。
そこから「顧客満足」と「企業利益」という相反する、ビジネス戦略で大事な2つを両立させる方法が見えてくるはず。
価値を高めるのは簡単ではないけど、そこに集中する事で改善する事も多いだろう。
モノを売るすべての人に向けたマーケティングの基本を学べる一冊。
タイトルの「ドリルを売るには穴を売れ」とは、マーケティング業界でよく言わ
れる言葉で、「商品を売るには、顧客にとっての『価値』から考えよ」という意
味である。
本書では「価値」を切り口にして、売り方の基本を以下の流れに沿って解説していく。
①ベネフィット
「あなたは何を売っているのか」
②ターゲティング
「誰に売っているのか」
③差別化
「あなたの商品でなければならない理由はなにか」
④4P
「その価値をどうやって届けるのか」
また解説と平行して、新人マーケッターが閉店寸前のレストランを復活させるサ
ブストーリーも展開されているので、物語として楽しんで読んでいくうちに、解
説の内容がしっかり実感できるようになっている。