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【ヒップホップ音楽の本質】ブレイクビーツの誕生から紐解く! “リアル” とは何だ!?

今回は、

ズバリ!ヒップホップ音楽の本質!

について書いていこう。

 

こんな言葉を聞いたことはないだろうか。
もしくは、言ったことや感じたことがあるかもしれない。

「こんなのヒップホップじゃない!」
「リアルなヒップホップじゃない!」

では、「リアルなヒップホップってなんなん?」

という疑問。

さらに現在はヒップホップは「音楽ジャンル」とされているので「ロック、メタル、ポップスは好まない」といったヒップホップキッズもよく見る(その逆も多い)。

音楽ジャンルとされているヒップホップ。

多種多様なサウンドスタイルがあり、1つの法則性を見つけるのが難しいが、今回は「ヒップホップサウンド」の本質を考察して見たいと思う。

 

リアルなヒップホップって何だ?

「リアルなヒップホップ」

と聞いたとき、少し照れくさいw
では、リアルなロック、パンク、R&B、レゲエなどそもそも”リアル”って何だ?
ということで辞書で調べてみた。

リアルとは…

(1)現実に関すること、現実的であること。現実。「リアルな出来事」などのように用いる。

(2)写実的であること。真に迫っていること。如実であること。「リアルな絵画表現」などのように用いる。

(3)フィクションの出来事や想像上の人物などを地で行くさま。「リアル桃源郷」「リアルわらしべ長者」などのように用いる。

Weblio辞書

なるほど。
現実的で真に迫っていることか…。
要は、ヒップホップの歴史で代表的なアーティスト達を引き出せばいいのか?

 

では、あなたはどのようなアーティストを思い浮かべるだろう?

これに関しては、どの時代のヒップホップが好きか?
で分かれるはず。
ダンスでもヒップホップといっても時代で様々なスタイルがある。
音楽シーンにおいても時代で旬なスタイルがあるのだ。

といっても、大体の人が80年代後半から90年代を思い浮かべるはず。
例えばアーティストで言うと

 

A Tribe Called Quest

A-Tribe-Called-Quest

 

Rakim

rakim

 

Wu-Tang Clan

ウータン

あたりだろうか?

しかし、ここで重要なことがある。
それは、

どのアーティストも最初は「新しいもの」扱いされていた

ということ。

 

例えば、

A Tribe Called Questは、最初に出てきたときは「踊れないヒップホップ」と言われていたのをご存知だろうか。
たしかに当時は体を動かすというより、耳に気持ちい音楽、オシャレ系と言われていた。

彼らが出てきたときはRun DMCなどが「リアルなヒップホップ」だったはず。
そしてRun DMCが80年代に出始めたときは、Grandmaster Flash(グランドマスターフレッシュ)などがリアルなヒップホップだったはず。

80年代後半にEric B & RakimやOrganized Konfusionなどが出てきて、ラップの難易度をガッツリ上げたときも、認めない人たちがいた。

 

Organized Konfusion

 

こう思うと、新しいアーティストが生まれた時に、常に新しい世代が支持することによって成長してきたと言える。

だとすると時代が進むにつれ基本的に10年前〜20年前のアーティストが「リアル」とされるのでは?
その時代のネイティブキッズが過去を掘り下げると、そのくらいのサイクルになるのでは。

この考えだと10年後には、2000年代後半などの曲も「リアルヒップホップ」とされることも予想できる。
ここで感じるのはやはりヒップホップサウンドの本質は、

1つの「音」に当てはまらない

ということ。
その本質を読み解くために、ヒップホップが誕生したときのことを紐解こう。

 

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「音」だけではないヒップホップ思想

音楽としてのヒップホップのルーツは、

「曲中にある短いドラムソロみたいな部分(ブレイク)がずっと続けばいいのに」

という想いが元となっている。
ブレイクビーツとは、その想いで生まれた音楽である。

 

ブレイクビーツの誕生

1973年、当時のDJは、スクラッチなどのDJテクニックは存在せず、ただ単にレコード(主にディスコ)を選曲して流すだけの「ディスクジョッキー」だった。

そのDJ文化に革命を起こしたのがクール・ハークと言われている。

 

ある日、ハークは上手いダンサー達が曲のブレイク部分でしか踊らないことに気付き

「どうにかブレイク部分を延長できないか」

と考え、ある技を開発し披露した。

2つのターンテーブルを利用し、1枚目レコードのブレイクがかかっている間に、2枚目レコードのブレイクの部分を流す用意。
その2つの短いブレイク部分を次から次へと流して繋ぐ。
という発想をうみだす。

この斬新なアイデアをハークは「メリーゴーランド」と呼んだ。
ニーズがあるとこに革命が起きる。
ビジネスでも同じだよね。

 

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DJ Kool Hercやグランドマスター・フラッシュのような先人たちが「ブレイク」に命を宿し、人を踊らせることに知恵を捧げた産物と言える。

そして、注目しないといけないのはグランドマスター・フラッシュがインタビューでしていた発言。

当時は朝から晩までレコード屋に入り浸り、ジャンル関係なくひたすらブレイクがある曲のレコードを買いまくってたんだ。

この一文で最も大切なのは何かわかるだろうか。
そう、

ジャンル関係なく

ということ。

 

「ヒップホップ」という言葉を聞くと、各自でイメージするだろうが、ヒップホップの本質を考える上で「ジャンルに関係なく」というところが重要になってくる。

これは、先人達の思いでもあり、本来の姿なのだ。
実際にヒップホップに多大な影響を与えた元ネタの1つはロック曲である。

ビリー・スクワイアーの“The Big Beat”のドラムビートは一度は聞いたことがあるはず。

 

この曲は”Run DMC”から”Jay Z”や”エミネム”にも使用されている。
さらにQueenの有名な“We Will Rock You”もエミネム、アイス・キューブ、アフリカ・バンバータなど新旧アーティストに多くサンプルされている。

このように、ヒップホップの精神性はジャンルに関係なく「新旧の融合」なのだ。

 

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変わらない「サウンドの本質」

ここまで紐解いて、何となく

「本質」とは何か?

が掴めてきた気がする。

本質とは、“今も昔も変わらなく根付いていること”だと思う。
では、これと前述を踏まえるとこうなる、

ヒップホップの本質とは、
過去から学んだ知識を使用し、新しい感性を足し、人を踊らせる音楽をつくる」こと。

 

ヒップホップ音楽の本質の終わりに

ヒップホップを構成する4つのエレメントとして、

DJ・MC・グラフィティ・B-Boying(ダンス)

は有名な話だが、実はそこにもう1つ付け足されたことを知っているだろうか?
それは「Knowledge(知識)」である。

 

DJ クール・ハークやグランドマスター・フラッシュからはじまり今まで成長してきたヒップホップ。
そのカルチャーやファッション、思想は音楽以外の分野にも視野を広げ、そこで感じ取ったことを自分なりに新しく解釈することが重要ではないだろうか。

「ヒップホッパーだから他の音楽ジャンルは聞かないわ!w」

trollface

 

という人がどれだけヒップホップじゃないかという事でもある。

リアルを目指すなら、ヒップホップ以外のジャンルにも視野を広げ、音楽以外の分野にも関心を持ち、それをさらに磨き上げる気持ちが大切なのだ。

It’s real!

 

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