今回は、
思い込み(プラシーボ効果)の心理的効果とは?
を以下の書籍を参考に解説していこう。


最初に結論を書くと。
科学的に見てプラシーボ効果もノーシーボ効果もある。
つまり、私たちは良くも悪くも思い込みによる影響を強く受けている。
というわけでこの記事では、
1:プラシーボ効果とは
2:ノーシーボ効果とは
3:スピリチュアルの効果
という順番で解説していくので、ぜひお楽しみに。
1:プラシーボ効果とは
薬としての効果を持たない”偽薬”を飲んだ時でも症状が良くなる場合がある、という現象。
これは”薬を飲んだから良くなる”という思い込みによって、実際に脳からオピオイドという鎮痛物質が出されることで起こっている。
例えそれが偽薬であっても、「効果があると思い薬を飲む」という行動が引き金となり身体が期待に応えようと実際にプラスの反応をするということ。
自己暗示にも近いかもしれない。
ちなみにプラシーボとはラテン語で”私は喜ばせる”という意味。
このプラシーボ効果は薬を飲む以外の様々な場面でも現れる。
例えば、こんな面白い実験がある。
この実験の対象者はホテルの従業員。
ホテルの従業員を2つのグループに分け片方のグループだけにある表を配った。
その表には、
ベッドメイキングをすると約50キロカロリー消費する。
浴槽の掃除をすると約200キロカロリー消費する。
というように、立ち作業の消費カロリーがまとめられたもの。
その後、いつも通りに働いてもらったところ、全く同じ作業をしたのにカロリー表をもらったグループの人達は体脂肪が落ち、血液の健康度が上がり身体年齢が若返る、という結果が得られたのである。
それに対し、カロリー表をもらっていないグループでは何の変化も見られなかった。
つまり単に作業するのではなく、その作業が健康に良いものである。
とほんの少し意識するだけで体の状態が変わったということになる。
このように人は心の持ちようや思い込み、少しの意識の違いによって大きな影響を受けているということ。
筋トレなども部分的な意識を持つだけで効果が変わる。




そして、ここからが今回1番伝えたい内容。
それは、
何事も、ちゃんと効果を意識しよう!
ということ。
例えば、このブログでは脳科学と心理学という2つの科学の観点から
「運動・瞑想のメリット」
「効果的な計画の立て方」
「作業効率を上げる方法」
「ドーパミンやセロトニンなどの脳内物質を操る方法」
など様々な知識を紹介している。
気になる人は”まとめページ”へ⬇︎


もし、これらを実践するなら、しっかり効果を意識しながら実践しないともったいないよ!というのを伝えたく、今回プラシーボ効果の解説記事を書いてみた。
この「効果を意識する!」というのは具体的には「効果を言える、人に説明できる」というレベルを目指すのがいいと思う。
思うだけじゃなく、人に説明できるレベルは理解していないと無理だし、よりプラシーボ効果が期待できるから。
紙に書き出すでもいい、人に話すでもいいので”言語化できる“ということが大事。
運動や瞑想などのメリットをすぐに言える、説明できるというレベルまで意識することで実際に得られるメリットを最大化が可能となるぞ。
では続いて、



2:ノーシーボ効果とは
プラシーボ効果とは逆のノーシーボ効果というものもある。
これは何の効果もない薬を飲む時、それに副作用があると思い込むことで本当に副作用が生じてしまうこと。
ノーシーボとはラテン語で”私は傷つける”という意味。
つまりまとめると、
思い込みがプラスに働くのがプラシーボ効果。
マイナスに働くのがノーシーボ効果。
ということ。
このノーシーボ効果についても薬の投与以外の場面で見られる。
例えば、
サッカーのイングランド代表はPK戦に弱い。
というジンクスがあり、何十年にもわたりPK戦での勝率がとても低いのは知っていたかな?


スポーツ心理学者のゲール・ジョルデ博士は、この事に興味を持ち研究に乗り出した。
ジョルデ博士が明らかにしたのは、やはりイングランド代表のPK戦の弱さは”ノーシーボ効果によるものが大きい”ということだった。
選手達はPK戦になると、どうしてもジンクスのことを考えてしまう。
そしてやっぱり「今回も負けてしまうのではないか…」という悪い予感がちらつく。
この悪い予感によって選手たちはパフォーマンスを落とす。
つまり、
PKを失敗してしまう
ということ。
もっと掘り下げると、イングランドの選手はPKの時、主審が笛を吹いてからボールを蹴るまでの間隔が短いのだそう。
これには「ゴールを決めるぞー!」というよりも、
「早くPKを終わらせたい、早くこの場から逃げたい!」
という心理が現れている。
また期待が集まるスター選手であるほどこの傾向が強かった。
というのも面白い点。
ダンスでも「間違えちゃいけない!」と思い込むほどパフォーマンスに影響してしまうし、会社ではプレゼン、営業なども同じ心理が働くと思う。
以上のように、”人は思い込み“や”少しの意識の違い“によって良くも悪くも大きな影響を受けているのである。



続いて、
3:スピリチュアルの効果
結論。
パワースポットや神頼みとかのスピリチュアル系は、その力を信じている人にとっては本当に効果がある。
しかし、神様なんていないじゃん!みたいなタイプの人には効果がない。
これはここまでの説明を聞いていれば納得するよね。
要するにパワースポットや神様の存在そのものは科学的でないけど、それらを信じている人はプラシーボ効果という科学的な恩恵を得ることができる!ということ。
このようにスピリチュアルは非科学的だけど、科学的みたいな興味深い側面があるのだ。



というわけで最後にまとめよう。
思い込みで人生は変わるのか!?まとめ
人は思い込みや、少しの意識の大きな影響を受ける。
それが、
プラスに働くのがプラシーボ効果
マイナスに働くのがノーシーボ効果
である。
同じワインであっても一本2万円と言われたら”美味しく感じる”し、数学が苦手というのはただの”思い込みのせい”かもしれないし、”病は気から”である。
そして今回一番伝えたかったのはせっかく実践するなら、その効果をしっかり意識して行うこと。
そして、その効果を最大化しよう!
ということ。
今回紹介した「期待』の科学についてはまだまだ紹介できていない部分が多いので、ぜひ読んでみて欲しい。